ごあいさつ

多くのものが、時代とともに移ろい、その姿を多様に変貌させてきました。
そんな中にあって400年余変ることなく、伝承されてきたものがあります。
苔香居。そこには「不変の日本の形」がひそやかに、鮮やかに息づいています。
季節を告げる鳥の声、虫のささやき、春には爛漫の桜、夏には涼やかな深緑、秋は艶やかな紅葉、そして冬の静寂。
京・西山の麓で、自然とともにあった、いにしえ人たちのはるかな営みに触れ、日本の魅力を、再発見してください。

二十代当主・山口俊弘

苔香居とは・・・

山口家住宅に茶人であった先々代がつけた庵名。苔の香りのする住まいとの意。扁額は上村松篁筆。
平成13年まで住まいとして使用し続けておりましたが、先代が隠居場を別棟に持ったため、現在は限定した中ですが、公開可能となりました。庭は杉苔を中心に数十種類の苔に覆われ、実生草木には四季折々の花が楽しめます。 春の桜と新緑、5月の萌える苔と霧島つつじ、秋の千両、万両、特にもみじの緑、黄、赤の競演。晩秋はもみじのじゅうたんがたのしめます。

山口家
山口家は桃山時代の天正年間(天正元年1593)に加賀より移住し江戸時代は当松尾、下山田村の庄屋を務めた士族。約400年、当代20代目。戦国時代のこの地を支配した公家葉室家、徳大寺家に仕え客員、家老よりも高い地位の財務を司っていた。東京遷都に伴い葉室家がこの地を去られたため代わってこの地域を管理し、代表する家となった。北200mには葉室家の菩提寺である浄住寺がある。当時の管轄区域は東西は桂川西岸から西山山麓まで、南北は松尾から山陰街道(9号線)まで。

山口家住宅
長屋門 建築面積 66㎡ 20坪 茅葺(草葺)
江戸後期 琵琶湖のよし(葦)を使用した八間にあまる草葺屋根
内側には下屋がついており農事の作業場、物置、一部下男部屋があった。
現在は近隣の農家より廃業時に分けていただいた農機具、民具が収納されている。

主屋
建築面積153㎡ 46坪
当初は九六(九間×六間のつのや造り) 江戸末期嘉永2年~明治8年に建て替えられたもの 桟瓦葺き切妻屋根のつし二階建て 居室は土間に添って一列に並べる町家の平面構成 玄関につるしてある篭は当主より三代前の山口定光が朝廷に勤めておられた葉室氏のもとに上京する際使用したもの。

座敷棟
大正~昭和初期に亀岡市曽我部町の原田源之助宅として建設。
昭和28年に総工費260万にて山口家に移築 入母屋造りの近代の和風書院建築 6月と9月に建具の建て替えをし、夏は葦簀格子と竹のあじろ(国内織)敷く 10畳間の天井板はさつま杉の一枚板 釘かくしは曼珠院の富嶽八景の写し(泥七宝)磯村作 欄間はすべて違う種類の木で組んである。 4畳半の床柱はこぶし。
3件は平成11年11月18日文化庁登録文化財指定を受ける。

茶室 西芳寺の茶室、少庵堂の写し

山口家のくらしとしきたり

京都西山の自然との調和と共にくらしは受け継がれてきました。 明治・大正期には特産の良質の竹を加工生産し、春には筍を出荷、初夏にはお茶を摘みと製品化、梅干等の梅仕事、秋には自家用に松茸、柿、柚子など収穫をしていました。それらは季節を教えてくれました。
母屋棟、座敷棟の建具替え時期は季節と相談し行われます。 またその時代を映す衣類、道具類は数多く残されております。

旧住所山城国葛野(かどの)郡松尾村山田の当地では、京都市内の商家と同様に農業を中心とした古くからのしきたりが多く残されております。

京 西山の麓 苔香居
〒615-8274 京都市西京区山田上ノ町25
TEL: 075-392-4533 FAX: 075-384-2871

・阪急嵐山線 「上桂駅」より 西へ徒歩10分
・阪急京都線 「桂駅」より タクシー7分